帰化申請などに提出する韓国語などの翻訳では直訳が良いことも

 韓国語の除籍謄本や家族関係登録簿の韓日翻訳においては、直訳も意訳も何も、決まった法律用語(戸籍用語)を使用して翻訳していくのであまり関係のない話なのですが、それ以外の書類の翻訳においては、意訳を避けて直訳した方が良い場合があります。

 それは(戸籍書類以外の翻訳書類で)官公庁で審査される書類を提出する場合です。

 法務局職員にしても、法務省職員にしても、入国管理局職員にしても、審査官は全て、はっきり申し上げて外国語が堪能な場合がほとんどです。
 少なくとも、自分が現在担当している仕事に必要な言葉には精通しています。

 もちろん、そうであっても法律上で「外国語で作成された書類には、翻訳をつけること」と明記されているので、申請者は翻訳を添付しなければならないのですが、官公庁の審査に対して素人である一般の翻訳会社が書類を翻訳する際は、センスとか、言葉の響きなどを大切にするあまり、ついつい意訳してしまい、原文の表現から少しかけ離れた内容となる場合があります。

 一方で、前述したとおり、審査する側の官公庁職員も、一応、原文には目を通しますから、あまりにも意訳が過ぎる場合には、果たして、この翻訳書類で良しとして良いか悪いか自体を部署内で協議しないといけない羽目になることがあります。

 まあ、間違っていなければ、許可とか、不許可には影響がない話ではあるのですが、プロの目から見ると、そういった「協議をしなければならない時間」こそが惜しいのであり、許可が遅れることで、結婚や出産などの人生の大事な機会を逃してしまい、申請の本当の目的自体が叶えられない結果となることもあるのです。

 そういった意味では、ひとつの文章ごとに、ほんとうに意訳していいのか、直訳の方が適しているのか、を真剣に考えて翻訳しないといけません。

 ただ単純に、韓国語を日本語に直せばいいという以上の事が求められるのです。

 翻訳も、なかなか大変な仕事ですね。