韓国戸籍において就籍申請は慎重にしなければならない

 今日は、愛媛県の行政書士の先生が、韓国語除籍謄本等の翻訳をご依頼に飛び込みで来所されました。
 韓国人の被相続人の相続調査で、大阪難波にある駐大阪韓国総領事館にわざわざ愛媛県から戸籍の取寄せにお越しになられ、その帰りに翻訳のご依頼にお越しいただいたのでした。

 アポイントなしのご訪問で、ちょうど帰化申請のご依頼者の方と電話で打ち合わせている最中でしたので申請支援センターの待合でかなりの時間お待ちいただきました。申し訳なく思っています。
 と申しますよりも、愛媛県からの交通費と、なによりも先生自身の時間コストを考えるならば、電話一本で、取寄せとセットで韓国語翻訳のご依頼をいただいた方が、よほどリーズナブルで楽であったのではないか、と存じますが、真面目な先生で、律儀に大阪の領事館まで足を運ばれたようです。

 いずれにしても、相続用の韓国除籍謄本を遡及取得しようと領事館に行かれたのですが、韓国領事館の窓口からは、1通の除籍謄本を発行されたものの、これ以上は遡れない、と断られ、本国に直接取寄せ請求の必要を感じたものの、途方に暮れて、申請支援センターを訪ねてこられたのです。

 しかし、取得された韓国の除籍謄本を一見して、本国への直接請求をしてもほとんど仕方のないことが判明しました。

 就籍申請が行われていたからです。

 就籍をしている場合には、もし現実には、韓国のどこかに自分の戸籍または親の戸籍があったとしても、一家創立の際に、その関係は「切れたもの」あるいは「なかったもの」とみなされますので、原則は、それ以上は遡りようがありません。

 よく調査をせずに、就籍申請をしてしまうと、あとで、相続の際などに大変なことになります。
 また、今年、帰化許可自体はいただいたものの父母欄の不十分な日本戸籍を作成することを余儀なくされた帰化申請においても、その原因の一端はは就籍申請にありました。

 いずれにしても、韓国戸籍に慣れていない方が、事情をわからなくても仕方のないことです。
 しっかり、法務局担当者の方も韓国戸籍をよく理解されていない場合もよくありますので、法務局に主張して進めていくようにアドバイスし、本日は、翻訳だけのご依頼をありがたくお受けいたしました。

 私の土俵でございましたので、つい差し出がましく、口角泡を飛ばして、偉そうに講談したのですが、後で聞いたら、長く本邦自治体の戸籍課で活躍されていた大先生でございました。

 釈迦に説法でございましたね。

参考リンク:
韓国除籍謄本の取り寄せと翻訳

韓国語翻訳/韓国の除籍謄本の韓日翻訳

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」