韓国語戸籍に齟齬があって当然位の余裕をもって翻訳に望む

 韓国戸籍(家族関係登録簿)の間違いは非常によくあります。

 韓国の家族関係証明書や除籍謄本に誤りがあること、すなわち現実の状況と日韓それぞれに届けられ登録されている記載内容が一致していない事(此れを齟齬があると言います)は、ほぼ日常茶飯事に存在するのです。

 韓国人の相続や帰化申請の際に深刻な影響を及ぼす韓国戸籍の齟齬もあれば、あまり影響がなくて済む齟齬もあります。

 いえ、正確には、家族関係登録簿や戸籍の齟齬というのは全て、非常に重要で深刻な事態なのですが、目をつぶって貰える齟齬もあるだけです。

 また、目をつぶって貰えない齟齬の中にも、専門家に頼めば比較的簡単に解決するものと、そうでないものがあります。
 簡単とか簡単でないと言うのは、すなわち費用の事で、10万円も掛からないようなわずかな金額で解決できる場合もあれば、数千万円掛けても解決が不透明である案件も存在します。

 また、戸籍を取ったときに(素人の方であっても)その場ですぐにわかるような齟齬もあれば、翻訳会社で韓国語翻訳をしてもらってからでないとわからない齟齬もありますし、韓国人被相続人の相続手続きや帰化申請で法務局や行政書士事務所等を韓国語翻訳を携えて訪ねて行って初めて指摘される場合もあることでしょう。

 すぐにわかる戸籍齟齬の場合に、家族関係証明書発給窓口で「なんで、うちの戸籍が間違っとるねん!」と怒鳴っている光景をよく見かけますが、それはあまりにも非常識な行為です。

 話が長くなりますので、説明はまた後日にでも書きますが、戸籍齟齬の原因の大半は、当人又は親族などの本人側にあります。

 役所に食って掛かるのは、大抵御門違いです。
 (移記時の漏落、誤記もよくありますが)

 我々行政書士も窓口その場や韓国語翻訳をしながら齟齬を発見し「ウオーー」と雄叫びを挙げる事もよくありますが、矛先を発給窓口に向けることはありません。
 窓口は、その後の齟齬訂正でやり取りをする、いわば味方であるからです。

 そして、それ以前に「韓国語戸籍に齟齬があって当然」位の心の余裕を、家族関係登録簿証明書請求をする時も、韓国語翻訳をする時にも持っていないと、この仕事は務まらないとつくづく思います。