大韓民国大使館や韓国総領事館で発行される家族関係登録簿記録事項証明書(略して家族関係登録簿証明書と呼ぶこともあります)、俗に言う韓国戸籍には領事職印と領収印を含むスタンプが押されます。
駐大阪韓国総領事館でもこのスタンプは結構マイナーチェンジされていて、真面目な性格の翻訳者はその都度スタンプ部分の翻訳の修正を行います。
もともといい加減なレイアウトの翻訳を作成している翻訳事務所ではその必要も無いでしょうが、原文再現性を忠実に守っている翻訳者は結構大変な努力を払っているのです。
韓国の家族関係登録簿証明書の左下にある個別番号を翻訳文に「記載していない!」といったやる気さえ全く無い翻訳者は論外ですが、帰化申請者が持って来られる翻訳の中には誤訳とまではいえないまでも、どこがどこの翻訳か良くわからないレイアウトの訳文も見かけます。
うちの申請書に混ぜて提出するのがちょっと恥ずかしいので、法務局で顔見知りの職員さんと話すときは「翻訳はうちのと違いますからね」と苦笑しながらことわります。
ただ、恥ずかしいながらもそのまま提出するのは誤訳の無いときだけで、決定的な間違いがあれば本人経由で訂正してもらったり、改めて当方で訳出しなければなりません。
このチェックが翻訳する手間とあまり変わらないので、なんでよその翻訳をわざわざ無償でしてあげないといかんねん、などと夜中にぶつぶつ不平の独り言を延々とつぶやきながら申請書全体の調整をしているわけです。
で。
今年の2月から、駐大阪韓国総領事館のスタンプの押し方のルールが変わって、福岡方式と東京方式の折衷方式になってしまいました。
前述のような偉そうな事を言っているだけに、また、大幅に翻訳の手間が増えるのです。
涙無しには語れない翻訳者の苦労談です。