韓国語戸籍翻訳から帰化申請のご依頼が続いています

 今年2017年は韓国戸籍の翻訳のご依頼をいただいた方が途中から帰化申請のご依頼をいただく案件が幾つか見受けられます。

 もともと帰化申請に使用される韓国語戸籍(つまり家族関係登録簿記録事項証明書)の翻訳だけのご依頼の場合には単にご本人が持参された韓国の家族関係諸証明書や除籍謄本を翻訳するだけのお仕事なのですが、大抵、初めてお持ちになられる際には、もう帰化申請に必要な本国書類を全然満たしていない事がほとんどです。

 帰化申請の専門家が取り寄せをする際には、韓国家族関係登録簿記録事項証明書が交付された時点で、足りない事が判明すればその場で足りないものを再請求しますし、それ以前に、できるだけ一発で目的の除籍謄本が全て交付される家族関係登録簿証明書交付申請書の書き方のコツを心得ていますから再請求することさえ少ないのですが、一般の方はハングルが読めないので揃ってるかどうかを確かめられないでしょうし、読めても帰化申請に必要となるルールをよく理解してないので判断できなくて当然でしょう。

 翻訳だけのご依頼の場合には、本来は申請支援センターに持参された除籍謄本に足りないものがあっても知らん顔をすべきなんでしょうが、ついつい老婆心ながらにご指摘をしてしまう事もよくあります。

 ただ、再取得をあまり強要はいたしません。
 翻訳枚数を増やそうと企んでいるようにとられるのもシャクだからです。

 とにかく、本来はアドバイスをする義務が一切無いのが翻訳のみの仕事の基本です。

 しかし、口がすべってつい助言をしちゃった時に、私のアドバイスを信じる方もいれば、聞かない方もいます。

 聞かない人の場合、「①会社を休んで、法務局に書類を聞きに行った」「②会社を休んで、韓国戸籍を取り寄せる」「韓国語翻訳機関(申請支援センター等)で翻訳」「③会社を休んで、法務局に点検に行き、不足を指摘される」「④会社を休んで、韓国戸籍を取り寄せる」「韓国語翻訳機関(申請支援センター等)で翻訳」「⑤会社を休んで、法務局で点検を受ける」・・・という繰り返しです。

 法務局はどんな書類が必要か、「必死になって」教えてはくれません。初回から正しく教えてはくれますけれどもね。
 でも、大抵一般の素人の人に伝わっていない。
 
 だけど、それでいい。と考えられている。
 申請者に必死の苦労をさせ、日本国籍の大切さを理解してもらって、「良い」日本人となってもらうことが、帰化行政の役割のひとつだからです。

 だから上記⑤の後に、③④⑤をもういちど繰返し、⑥⑦⑧ときて、ようやく身分関係書類のチェックが終わり、やっと⑨から数回の帰化条件に関する書類内容の点検があって⑪あたり以降で受付です。そして、そこから初めて、審査が始まります。

 上記の丸数字は、受付「までに」平日に仕事を休んだり抜けたりする回数です。
 翻訳機関とのやり取りは、FAX,メール,郵送などでもできますし、別に平日の昼間にやり取りしないといけないわけではないので、数字は増えません。

 私のアドバイスを聞いた人は、「①会社を休んで、法務局に書類を聞きに行った」「②会社を休んで、韓国戸籍を取り寄せる」「韓国語翻訳機関(申請支援センター等)で翻訳」の後に、「③会社を休んで、韓国戸籍を取り寄せる」「韓国語翻訳機関(申請支援センター等)で翻訳」「④会社を休んで、法務局で点検を受ける」で身分関係のチェックは終了ですので、ほんの少し楽でしょう。
 当方には、必要書類をはっきり理解させる力があるので、よほど理解力が無い人以外は、⑤以降に3回目の韓国戸籍取寄翻訳ルーチンが続くことはありません。

 ただ、翻訳だけのご依頼でアドバイスをする義務は全くないので、普段から心がけの良いラッキーな方のみ、老婆心が芽生えるのです。

 ご自分からアドバイスを受けたい方は、翻訳料金とは別に帰化相談自体の翻訳料を払っていただかねばなりません。

 許可になるまで、いくらでも相談できるのは、帰化申請自体をご依頼の方のみの特権です。
 さらに、最初から帰化申請を依頼した方は、上記の丸文字で言うと、

 「①法務局で帰化申請受付」です。

 ちなみに、その後は「②法務局で面接」で、「③許可後に法務局で書類の交付を受ける」で全て終了。
 ③で、日本人になっています。

 ③といえば、法務局で一回目の駄目出しを受けた時の、仕事休み回数と同じですね。

 だから、②あたりで思い直して、翻訳依頼の途中で帰化申請の依頼に切り替える方が増えるのかもしれません。

 でも、①で自分で法務局に行っている方は既に色々と法務局にマイナス部分を握られているので、最初から帰化申請を依頼される方よりは難易度のハードルが上がることがしばしばあるので、本当は法務局に行く前に来て欲しいのですけれどもね(汗)。

 まあ、大抵、何とかしますけれど。
 結構、人知れず苦労しているんですよ(^^)。