韓国戸籍翻訳の仕事をしている中で完備していなければならないステーショナリーは幾つかあります。
私は元々文房具にはこだわらない方で、というか、どこどこのメーカーのものがどうとか、そういった素人臭い話題は避けたい信条を持っています。最低限の機能と品質を備えていて必要な規格のものであれば、メーカーや値段にこだわる必要はありません。
強いて分類するなら、今日はその規格の話。
これまで普段使うホッチキス(ステープラー)はずっと10号と3号のみで通してきました。
今からちょうど10年近く前に事務所の近所のステーショナリーショップが「軽い力で40枚止め!」とデカイ広告を店の前に貼ってMAXの新商品を売り出した時もそうでした。一見10号かなと足を止めてよくよく見ると新規格の11号針だったので、規格を増やすのは嫌だなと思って衝動買いするのをやめました。
ところが昨年から駐大阪韓国総領事館で交付される書類の一部が11号針を使うようになってきたので、翻訳業務用に11号針のホッチキスを導入いたしました。
帰化申請でも何でも、証明書類や契約書などで「法律上有効で、場合によっては必要な契印」が押された書類はホッチキスを外したり製本を解いたりして分解してはいけません。分解するのは自由ですが、無効になったり、証明力が低下したり失われたりします。
現実に以前当方の依頼者の方で閉鎖原票の取り直しを法務局から指示された方もいます。
韓国の各種証明書の契印は韓国法上厳密に言うと現在では上記の契印に当たらないのですが、その事を知らない法務局担当者に当たると、説明が非常に面倒で一悶着が起きるので、特に韓国法を理解していない素人の方はホッチキスを外さない方が無難です。
韓国戸籍(家族関係登録簿証明書)原本が取り直しとなると、韓国戸籍翻訳も全てやり直しとなり、とくに枚数の多い除籍謄本の翻訳となると、プリントアウト自体は対したことが無いのですが、その後の製本作業が結構手間だからです。
帰化申請の事務部分で5指に入る面倒な作業ですからね(笑)。
しかし、どうしてもホッチキスを外さざるを得ない場面はあります。
とくに古い韓国戸籍で長い間戸主相続の戸籍整理をしていない韓国戸籍になると30ページとか40ページの除籍謄本が出てくる事はざらにあります。68ページの除籍謄本を見た記憶があります。
何十ページもの除籍謄本となるとステープルの爪に余裕が無く、1,2枚綴じが外れてしまう事があり、このような時に、ステープルを外して一からきちんと綴じ直す必要があるのです。
そんなときに、ホッチキスの穴が沢山開いている書類を法務局に提出するのは格好悪いので「元通り」に針を打つのです。
ところが、10号11号3号それぞれ穴のスパンが違う訳ですから、領事館が10号11号3号針を使うならば、矢張我々も10号11号3号ステープラーを用意しなくちゃならないわけです。
でも、大抵のステーショナリーショップに置いてある11号ステープラーはあまりバラエティーが無く、水色一色の店ばかりで、カラフルなものを手に入れるまであべののデカイ文房具屋を4件ハシゴしました(笑)。