韓国語翻訳者魂があると、つい労力が掛かってしまうという話です。
今日翻訳していた韓国の縦書除籍で檀紀4260年に受付された婚姻事項が、その戸籍内で訂正の取り消し線が引かれ一部読めなくなっていました。
どうせ、訂正されている前の文章なので「判読不能」と簡単に片づけてもほぼ問題ないことなのですが、悔しいことに取り消し線に隠れた部分が「ほとんど」読める!
その中にところどころ判読不能な部分があって、「旧左面」か「旧右面」かが判読できない、面長の姓が見えない、そして、面長の名が「昌鎬」なのか「昌鉉」なのか、微妙にわからない。どちらにも見えるのでした。
こうなると、読めるのに判読不能とも書きづらいし、訳者注釈の中で長々と言い訳するのも腹が立つ、ということで、翻訳者魂がメラメラと燃えてくるのでした。
そこで、手持ちの書類をひっぱり出してきて、檀紀4260年当時の双方の面の面長の名前を調べだしたのですが、なかなか該当する部分がみつからない。
ようやく1時間半ほどで、檀紀4252年から4261年まで旧右面長名が確認でき、見える部分の漢字と一致したので、訳者注釈のいらない翻訳となり一件落着しました。
でも、弊事務所の相談料金でも1時間につき5,400円いただいているのに、1ワードの翻訳に1時間半掛かるというのは、縦書除籍の翻訳は本当に割に合わない仕事です。
ただ、これはマシな方で、一昨日などは「帰德里」の「帰」の字が、旧字の「歸」ではなく、その俗字が、さらに誤字となって使われていて、2,3時間粘ってどうしようもわからなくて、仕方なく訳注で言い訳を書いて、その後、2度就寝して、2日後に俗字情報が判明して、また、訳注の内容を書き直したという「ワンワード2日」事件があったばかりなので、可愛く見えてしまいます。